1カ月ぶりの安打が決勝打になった。楽天太田光捕手(25)が16日、日本ハム17回戦(札幌ドーム)の4回に逆転の2点二塁打を放った。1失点で粘っていた先発の則本昂大投手(31)に6試合ぶりの白星をプレゼント。チームは7カードぶりにカード初戦を制し、2連勝で3位オリックスに0・5ゲーム差に迫った。

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一番ほしい場面で打った。1点を追う4回2死二、三塁で太田は内角へのスライダーに食らい付いた。詰まった打球は三塁手後方、ライン際へぽとりと落ちる。1人、また1人生還する間に二塁まで駆け抜けた。「何とかバットに当てようと。いいところに飛んでくれてよかったです」。ゲームセットまで、1点のリードを守り切った。

「めちゃめちゃ久しぶりです。1本出てうれしい」。2回2死二塁の好機では凡退し、連続無安打を26打席に伸ばしていた。最後に快音を鳴らしたのは、一気に3安打した7月13日の日本ハム戦。その日も則本が投げていた。くしくもまた、則本の日に打った。「ここのところ則本さんに勝ちが付いていなかったので、今日は絶対に勝ちを付けたいと思っていました」。2回に続いて3回も、味方打線は1死から二塁打で走者を出しながら無得点だった。三度目の正直の4回に、決めた。

守備でもエースを支えた。「則本さんの勢いを上げていかないといけなかった。そういう球使いだったり、ストライク先行でいけるボールの選択を意識しました」。6回2死二塁のピンチ、打者古川裕への5球目は外角直球を要求した。渾身(こんしん)の150キロで空を切らせた右腕は「今日の真っすぐはシーズンの中でもいい制度だった。あの1球はしっかり投げられた。ああいう球を増やしていけば勝ちにつながる」と自信を深めた。

カード頭を取ったのは7月20日のソフトバンク戦以来で、後半戦では初めてのこと。3位オリックスに0・5ゲーム差に迫った。1週間の好スタートを切って、次は4カードぶりの勝ち越しを決める。

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