広島松山竜平が代打サヨナラ打でチームを3位浮上に導いた。0-0で迎えた11回。この日初めて得点圏に進めた2死二塁で登場。「とにかく絶対、ここで打てなかったらダメだろと。思い切って初球からいこうと」。代わったばかりの中日根尾の初球149キロを振り抜いた打球は前進守備の中堅の頭上を越え、雨中の延長戦に終止符を打った。

菊池涼や野間ら主力にコロナ陽性者を出すなど苦境のチームは、この日も白浜ら2人が陽性判定を受けた。若手が並ぶ打線は前回1安打に抑えられた中日高橋宏に、この日も8回まで2安打と苦戦。それでもプロ初スタメンの韮沢、矢野の若い二遊間コンビがもり立て、先発九里は9回まで134球を投げ抜いた。延長戦ではリリーフ陣も踏ん張った。「(1軍に)上がってきた若い選手がチャンスと頑張っているので、僕も刺激を受けています。まだまだやれることを若い選手に見せないといけない」。最後はチーム年長者が意地の一振りで、後輩たちの奮闘に勝利を添えた。

コロナ禍の連勝で、8月1日以来のCS圏内復帰。殊勲者は「みんなで力を合わせてやっていくしかない。1人1人できることを一生懸命やることだと思います」と胸を張った。【前原淳】