広島遠藤淳志投手(23)が、7回無失点の好投で4勝目をつかんだ。5月25日ロッテ戦以来9戦、101日ぶりの白星。チーム打率リーグトップのDeNAを相手に散発4安打に抑えた。三塁を踏ませない投球でチームは連勝。2カ月ぶりの本拠地デーゲームを勝利で飾った。遠藤自身はデーゲームで3勝目。チームも本拠地に限るとデーゲーム11勝6敗1分けと好相性だ。

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太陽が雲に隠され、爽やかな風が吹くマツダスタジアム。チームとしては7月3日以来、2カ月ぶりに本拠地でデーゲームを開催した。そのマウンドに立ったのは遠藤。7回無失点と好投し、DeNA打線を寄せ付けなかった。5月25日以来101日ぶりにつかんだ白星は、今季の4勝目。「キレのある真っすぐが自分の持ち味。それを忘れずに、変化球とのコンビネーションでうまく投げられた」。140キロ台前半でも押し込んだ直球にほほえんだ。

招いたピンチはわずか1度だけだった。2回、先頭の牧に二塁打を浴びた場面。しかし後続を打ち取り、無失点。三塁すら踏ませず、付け入る隙を全く与えなかった。「前回のDeNA戦でそういうところ(得点圏)が課題だった。落ち着いて投げられた」。最大のピンチとなった2回を難なく切り抜け、勝利へつないだ。

今季4勝のうち、デーゲームが3勝。デーゲームに先発する遠藤の戦いは登板前夜から始まっている。「しっかり睡眠を確保して試合に臨まないと(それが)結果につながってくると思う」と睡眠の重要性を理解している。デーゲーム登板前日となれば「(午後)11時くらいに寝ないとスッキリ起きられないと思う」と就寝時間を数時間、いつもより前倒しにする。「睡眠の1時間前に入浴してリラックスした状態で質の良い睡眠を取れるようにしている」。眠りに入るコツは、「何が何でも意地で寝る」。気合の睡眠は気迫の投球につながった。

前回登板の7回2失点に続き、この日も7回無失点。安定感も出てきた5年目右腕に佐々岡監督も「腕をしっかり振って真っすぐも変化球もキレがあった。先発投手が試合をつくればこういう展開になる」と高く評価した。一方の遠藤は「これを続けて最後まで全力でいければ」と引き締める。自己最多5勝(20年)にはあと1勝に迫った。【前山慎治】

○…広島磯村がマルチ安打マルチ得点に加え、好リードで勝利へ導いた。3回先頭では右前打、5回先頭でも右中間へ二塁打を放った。いずれも得点につながる出塁。「先頭で2つチャンスメークができた。(試合に)出る以上、勝たないといけない。出なくてもベンチを鼓舞して、集中できるようにするのが仕事。どんな仕事でも頑張りたい」。守っては先発遠藤を含む3投手で完封リレーを演出。攻守で存在感を示した。

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