桜美林大が今春王者の東海大を下し、待望の今季初白星を挙げた。

開幕5連敗を止めたのは、伏兵だった。0-1の8回1死一、二塁。代打の森田拓斗内野手(3年=真颯館)が左中間へ逆転の2点適時二塁打を放った。これまで2安打に抑えられていた相手先発・岩本真之介投手(2年=市和歌山)からこの試合初の長打を放ち、KO。そのまま試合を決めた。

大学入学後のリーグ戦初安打、初打点、初適時打が、チームを救う一打となった。森田拓は「今季は全然勝てなくて、チームが苦しい思いをしていました。ランナーが生還した瞬間はいろいろな思いがフラッシュバックして、泣きそうになりました。自分はたまたま良い場面で起用してもらっただけ。チームが勝ててうれしいです」と勝利の味をかみしめた。

裏方たちの支えも光った。この1週間、勝利のためにデータ班の阿部健太郎マネジャー(4年=桜美林)がバッテリーを集め、ミーティングを開催。分析した相手打線の弱点を共有した。この日の試合前には木内将貴学生コーチ(4年=昭和一学園)が選手に「このままでいいのか?」とカツを入れていた。

その思いに応えようと選手たちは奮闘。プロ志望届提出済みの土生翔太投手(4年=横浜)が5回1失点と好投するなど、粘りに粘って勝利をつかんだ。津野裕幸監督(51)は「阿部は投手と、捕手。2回集めてましたね。ウオーミングアップで行われた学生コーチの木内のミーティングも大きかった。裏方たち力が勝利を呼びましたよね」とたたえた。初白星を挙げた桜美林大の逆襲が、これから始まる。