恩返しの14年目を迎える。広島堂林翔太内野手(31)が8日、トレーニングのためにマツダスタジアムを訪れた。軽いランニングやウエートトレーニングなどで汗を流した。球団は前日7日に来季監督からの新監督として18年までのリーグ3連覇に貢献した球団OBの新井貴浩氏(45)が就任すると発表。堂林にとっては4年間ともにプレーした先輩。17、18年オフには志願して、ともに護摩行を行った。「変わるきっかけをつくってくれた」と深い恩を感じている堂林は来季、プレーで新監督に恩を返していく。

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原動力がまた増えた。新井氏と一緒に護摩行を行うなどしてきた堂林は、新監督就任の発表に気持ちを高めた。「変わるきっかけをつくってもらった。技術的なこともいろんな角度から言ってもらった。鼓舞してくれて、やる気にさせてくれた」。振り返るとキリがない。ただ、共通していることは1つ。

「一番良い形で恩返しできるようにしたい」

■「このままじゃ終わるぞ」の言葉胸に

堂林が「恩」と感じているのは5年ほど前のことだ。14年に8本塁打を放ったが、15年0本、16年2本、17年1本と低迷した。当時、「何かを変えないとこのままじゃ終わるぞ」と新井氏に言われ、堂林にその言葉は深く刺さった。「何かを変えないといけないと本気で思って、ああいうきつい護摩行も一緒に行かせていただいた。あのときも何回も断られて、最後の最後で『分かった』と言ってもらって。そういう(変わる)きっかけをつくってくれた存在」。多くの恩をもらい、それが堂林を突き動かしてきた。

■結果で感謝の思いを

感謝の思いを示せるすべは、結果でしかない。今季は2年ぶりに100試合に出場し、3本の代打本塁打を含む8本塁打を放つなど存在感は見せた。だが「今年の成績だけじゃ力になれない。また来年以降、さらにもっと力をつけていかないといけない」。抱いている恩に比べると、今年の成績では物足りない。

■休日でも「じっとしていられない」

“新井の教え”を知る堂林は闘志に燃えている。この日、チームはオフながら「じっとしていられない。少しの時間でも動かせれば」と球場に訪れた。来季で14年目となる右のスラッガー。下降線に入るにはまだ早い。恩返しを活力に新井カープ1年目の主力候補は早くも気合がみなぎっている。【前山慎治】

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