日本ハム長谷川威展(たけひろ)投手(23)が、鉄腕流の投球術で来季1軍定着を目指す。10日、みやざきフェニックスリーグの日本独立リーグ野球機構選抜戦に、7回から3番手で登板。直球とスライダーの2球種で3者連続三振に斬った。1年目の今季は2試合の登板にとどまったが、目標とする宮西尚生投手(37)同様の2球種勝負で進化へのきっかけをつかむ。

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強烈なインパクトを残した。7回に登板した長谷川威が、3者連続三振。投げた球種は直球とスライダーのみ。ほどよくシュート回転した直球は、右打者のバットに空を切らせた。フェニックスリーグ期間中は、2球種を軸に力試しする。「真っすぐとスライダーだけでやっていったら、それだけでカッコいいじゃないですか」。目標とするサウスポーがきっかけだ。

通算380ホールドの日本記録を持つ宮西は、同じ左腕で直球とスライダーを駆使して球界を代表する中継ぎ投手になった。長谷川威は「“究極”をしている方なので、僕もマネてやっている」。プロ1年目の今季は1軍登板2試合にとどまったが、目指すのは勝利の方程式の一角。同じ左腕の堀、河野らと勝負するため、カットボールなどはいったん封印。鉄腕の投球術を身をもって体験し学ぶ。

金沢学院大からドラフト6位で入団。開幕1軍入りを勝ち取るも、4月中旬には左肘の違和感で2軍に降格した。離脱を強いられた8月中旬までの期間に投球フォームを見直し、胸郭周りの柔軟性が増すと、肩周りの可動域も広がり、直球にキレが出てきた。今季最終戦で再昇格を果たし、1回無失点投球につなげた。

「1年間ずっと投げてもケガをしない体づくりをして、出力が上がってもケガをしないようにコンディションを整えたい」。フォームがDeNAエスコバーに似ていると評判の「タケコバー」が、2年目のブレークへ鍛錬を積んでいく。【田中彩友美】

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