広島九里亜蓮投手(31)が新監督の金言を胸に、共闘する来季に備える。最多勝を獲得した昨季から、今季は成績を大きく落とした。不本意なシーズンを終え、11日もマツダスタジアムでの秋季練習で後輩選手たちとともに汗を流した。12日に就任会見を行う新井貴浩監督(45)の下、復活を目指す。

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再会の日を待ちわび、思わずほおが緩んだ。九里は新井新監督について「正直、実感が湧いていてない」と笑う。12日に予定される監督就任会見は地元テレビ局が生配信を予定するほどの注目度。「会見されても、まだ実感が湧かないかなというのが、正直なところ。しっかりと要望に応えられる準備をしないといけないと思うので。そこはしっかり自覚を持ってやりたい」。新監督との対面と、再び共闘する日を心待ちにする。

投手主将を務めた今季は6勝9敗、防御率3・33に終わった。先発ローテーションを守り切れず、3年ぶりに中継ぎ登板も経験した。「チームに勝ちが付くようなピッチングが多くできなかった。長いイニングを投げられていない試合も多かった」。不本意な1年に終わり、早くも再始動している。10日から始まった秋季練習に参加。この日も若手とともにダッシュやノックなどで汗を流した。

新井新監督とは18年までともにプレーし、いくつもの助言を受けてきた。「“何歳になっても、プレースタイルだったり、がむしゃらにやるところは絶対忘れちゃダメだぞ”と言っていただいたのが一番印象に残っています。本当に何歳になっても、がむしゃらにやっていければいい。一生懸命がむしゃらにやっていくのが僕のスタイルだと思う」。マウンド上で闘志をむき出しに攻撃的な投球を貫く姿勢は、32歳となる来季も変わらない。それが新井監督への恩返しとなると、信じている。【前原淳】

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