日本ハム杉谷拳士内野手(31)が28日、札幌市内の球団事務所で緊急会見を開き、現役引退を発表した。
-元気印として愛された
杉谷 北海道で初めてグラウンドに立ったことを今も鮮明に覚えていますし、あの時の歓声というのは僕の野球人生でもずっと忘れられないものになっています。今後はどういう形になるかは分からないですけど、しっかり恩返ししていきたいなと思います。
-プロでの出場数は覚えているか
杉谷 あまり意識はしてなかったんですけど、さきほど自分で振り返ってラッキーだなと思いました。777試合でした。今後の自分に向けてものすごくラッキーな数字だなと思いますし、自分が前進していく上でいい区切りだったのかなと思います。
-生え抜き野手最年長。後輩に伝えたいことは
杉谷 後輩に伝えたいことですか? なかなか…自主トレも一緒にやっていますし、他にもたくさんの後輩から連絡がきて、14年間自分の野球は間違っていなかったんだなって1人1人に「ありがとう」と今、返信しています。ただ、野村佑希っていう男だけは、一番かわいがっていて、ものすごい才能を持っている選手だと思っていますし、ファイターズを背負っていかないといけない選手なんですけど、なんか人間の感情をあまり持ち合わせていないのか、あまりパッとしないLINEが来ていたので、今後、自主トレも松本剛について、また一緒にやると思うので、顔を出してしっかりお説教だけはしたいなと思います。
-どんなLINEだった
杉谷 幸太郎だったり、細川だったり、清水優心だったり、本当に後輩たちからは長文で「今までお世話になりました。今後もよろしくお願いします」と、涙が出るような連絡がたくさん来ていたんですけど、野村佑希だけは、直接伝えたっていうのもあるんですけど、自分からLINEしました。はい。「皆からLINEは来てるんだけど、あれかな? あんまり恩着せがましいことを言うのもアレだけど、LINEないのかな?」って、自分からしてしまったので。彼には本当にいち早く人としての感情というものを覚えて欲しいなって思っています。
-777試合出場して一番記憶に残るシーンは
杉谷 もちろん優勝したときもありますし、去年の斎藤佑樹さんの引退試合だったり、ものすごい印象的なものはたくさんありますけど。一番は大きいケガをした時。両打席で本塁打を打った時はもちろん人生の中でも一番うれしい時だなって思ったんですけど、うれしいことよりも、打席の中で有鉤(ゆうこう)骨を折った時の骨の音を今でも覚えています。
-どんな音だった
杉谷 打った瞬間に「ボキ」って鳴ったので、これはもしかしたらと思って。やっぱり折れていたので「初めてだな、骨折」と思いながら、次の日からどういう風にリハビリしよう、どういう風に帰って来ようと思って、しっかり帰って来られたので、そこで優勝もしましたし、すごくシーズンでは印象に残っています。
(つづく)