中日福敬登投手(30)が11日、ナゴヤ球場で契約交渉に臨み1000万円減の5000万円で更改した。

今季は36試合2勝2敗3ホールド、防御率4・55。9月17日ヤクルト戦登板中のしびれで左足の感覚をなくしリタイアした。その後、国が難病指定する黄色靱帯(じんたい)骨化症と診断。10月末に「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を受け6日に練習を再開した。

左腕は難病から最短4カ月での戦列復帰を想定する。「支配下のままになれるのは、球団が治る前提で動いてくれたのはありがたい。意気に感じる」。育成契約を経験している左腕は支配下で来季に挑める減俸も受け入れた。

8月に同じ手術を受けたDeNA三嶋やロッテ大隣投手コーチらの術後のアドバイスも受ける。「手術終え症状は改善されたが、完全になくなったわけじゃない。それが難病と言われるところ。表に立って病状を報告できる人は少ない。メリットとデメリットを正確に伝えるのは患った身としての仕事」。昨年の契約更改では自身のSNSでの誹謗(ひぼう)中傷を訴えたこともあり、病状経過のSNSでの発信は封印する。

「バンテリンドームに帰ってきたときに、アイツは足がしびれてたよなと言われるようにしたい」。20年最優秀中継ぎ左腕が、自らの姿で、難病と戦う人にエールを送っていく。(金額は推定)【伊東大介】

◆胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚生労働省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が、骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然発見される場合もある。原因は不明。DeNA三嶋も8月に同じ手術を受けた。過去には巨人越智、ソフトバンク大隣らが発症。14年には楽天星野仙一監督(当時)も手術を受けている。

中日ニュース一覧はコチラ>>