広島新井貴浩監督(45)と実弟の良太2軍打撃コーチ(39)が16日、2人がかりで堂林翔太を指導した。

日南秋季キャンプ第2クール最終日。午後の打撃練習が終わり片付けが始まる中、ティー打撃を続けていた堂林に良太コーチが近づくと、しばらくして新井監督も加わった。交互に助言を送り、身ぶり手ぶりも加わった。新井監督は練習後「彼がいい時、あまりいい状態ではない時を把握しているつもりなので。そのことを少し話しました」と復調を期待した。

堂林は今キャンプで2試合行われた紅白戦で5打数無安打。結果だけでなく、内容も良くない。フリー打撃中に声をかけた良太コーチは「ストレスを感じている表情だったから、しっかり(軸足に重心を)乗せてから打ちに行けば幅はできるんじゃないか、という話はしました」。投手に向かっていこうとする意識が、軸足に重心を残す意識を弱めていた。

声や笑い方、所作まで似ている貴浩監督と良太打撃コーチは、打撃論も似ているようだ。弟の打撃指導中、兄が「そうそう」とうなずく場面も。右の長距離打者で注目を集める選手という意味では、堂林も新井兄弟と共通点がある。助言の効果もあり、最後の打撃は内容も上向き。堂林は「実戦の中でも自分のスイングがなかなかできていなかった。今日をきっかけに、練習から精度を上げていけたら」と手応えを感じていた。【前原淳】

 

○…広島新井監督が今キャンプ初めて投手を指導した。今季50試合に登板した1年目松本のブルペン投球を見届けると、課題である変化球の使い方について打者目線での助言を送った。西武や巨人などで活躍した豊田清氏(現西武投手コーチ)を挙げ、「インサイドにきっちりとフォークを投げる。それはバッターは嫌だよ」と伝えた。松本の持ち味は真っすぐで変化球の精度が上がれば、投球の幅も広がる。