阪神石井大智投手(25)がシーズン開幕前に結婚していたことが28日、分かった。

相手は神奈川県出身の7個上の一般女性(32)で、約1年2カ月の交際期間を経てのゴールイン。1月26日に婚姻届を提出し、すでに兵庫県内で新婚生活を開始している。3年目の来季は40試合以上の登板が目標。愛妻のためにも1軍に定着し、プロ初勝利を目指す。

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石井はシーズン途中、あるルーティンをやめていた。チェーンを通し、ネックレスにした結婚指輪に、「いつもありがとう」と夫人への感謝を込めマウンドに向かっていたが、ある時、気がついたことがあった。

「そういう時は自分の力でなんとかしないといけないな、と。情けないと思ってやめました。そこは自分の力で抑えないと」。生涯の伴侶ができ、より強い覚悟が生まれていた。

誰よりも夫人が、その変化を感じ取っていた。「プレッシャーのかかる場面で出ていって、ビクビクして…。去年は子犬ちゃんみたいな顔で出てきたじゃないですか」。それが今年は「中型犬ぐらいになってましたよね」と目を細める。

今年6月5日の日本ハム戦。夫人が人生で初めて甲子園に訪れた試合の9回に登板。3者凡退で勝利を導いてみせた。「来年は大型犬にならないとなあ…!」と、かつての子犬ちゃん。どれだけ厳しい場面でも強気に腕を振ってみせる。そのたびに、首元のリングはキラリと輝くはずだ。【阪神担当 中野椋】