花は万波、男は中正-。日本ハムの万波中正外野手(22)が20日、真っ赤な頭髪で、千葉・鎌ケ谷での自主トレに臨んだ。

公開中の映画「THE FIRST SLAM DUNK」にちなみ、主人公の桜木花道に敬意を表し、19日に染めた。中学時代から刺激を受けてきた、おとこ気あふれるストーリーを心の糧に、来季のレギュラー定着を狙う。

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スポ根に学ぶ。赤髪の万波は自主トレ開始前にサッカーボールを蹴ってウオーミングアップ。一瞬、サッカー日本代表の“ブラボー”長友と思わせたが、違った。「スラムダンクの季節ってことで。映画を早く見たい。見に行くにあたって赤でいくのが礼儀かなと」。サッカーW杯開幕直後だった11月下旬のファンフェスでも、やや赤みがかった髪色になっていたが「そのときより赤く。今度は桜木花道です」と強調した。

中学時代から読み込んでいたスラムダンク。映画が公開され、寮の風呂場の休憩所にあった漫画を、手に取り再読した。「スポ根いいっすよね。最後まで、あきらめない、ボールも最後まで追いますし。やるって決めたことに対してちゃんと最後までやりきるみたいな。男子としてすごく感じる」と刺激を受けた。

自らを重ね合わせ、そして鼓舞するバイブルだ。印象的なシーンには、桜木が肝心なところでミスをする場面を挙げた。「決定的ミスを自分がしたことって、野球でも少なからずありますし。勝ったシーンもいいですが、そういうところも好き。涙が止まらなかった」。今年5月27日の巨人戦では、右翼の守備で適時失策を犯し、翌日スタメンを外された。自身を振り返る、反省ツールとしても、活用した。

4年目の今季はキャリアハイの100試合、14本塁打と躍進。来季に向け「赤髪は一過性のものなので開幕時は分からない。続けるかも知れないですし」。髪色は戻っても、人気漫画から得た「ダンコたる決意」は、間違いなく23年の力になる。【永野高輔】

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