ロッテの田村龍弘捕手(28)が、数年前まで不動だった正捕手の座を必死に奪いに行く。

15日、益田直也投手(33)を中心にロッテ選手10人が集う静岡県内での合同自主トレを公開。目標を問われると「開幕1軍。去年2試合しか出てないんですから」と即答した。

18年には全試合出場を達成するなど扇の要を担ってきたが、ここ数年は度重なるケガに悩まされてきた。昨季はルーキー松川虎生捕手(19)や佐藤都志也捕手(24)などの台頭もあり、出場はわずか2試合。屈辱の1年だった。

今オフは自身の中で、意識を大きく変えた。「今まではキャンプ初日に合わせるのではなくて、体をつくって技術はキャンプでっていうイメージだった。今年は初日からアピールして、ポジションをつかんでいかないといけない立場に変わった。若い子に負けないように。体幹だったり柔軟性など、今までと違うことも取り入れているので、いいかなあと思います」。大きなケガを抱えることなく、野球に直結する体も出来上がってきている手応えはある。

1年間戦える体に鍛え抜くための益田との自主トレでも、後輩たちと同じメニューを消化してきた。「ほんまはやめたいんですけれど、ほんまにしんどいので。でもそれが自分のためですし、益田さんが同じ量を走っているので妥協できない」。一方で捕手陣への助言も惜しまず、自身の技術や考えを伝えている。「自分に厳しく、人にも厳しく。みんなで出来ていると思う」。1打席、1プレーで結果を求められる難しさも感じているが、それはみんなが一緒だ。1つのポジションを奪う全捕手での競争に「誰かに勝ちたいとかではない。自分のプレーが出来ればおのずと試合に出る確率が上がっていくと思っています」と大粒の汗を拭いた。【鎌田直秀】

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