中日福敬登投手(30)が26日、名古屋市千種区の「愛知県立名古屋聾(ろう)学校」を訪問した。昨季、同校の生徒75人をバンテリンドームでの試合観戦に招待しており、今回は初めて直接交流が実現した。

福は神戸西高時代に手話を学んだ経験があり、その話を球団関係者から伝え聞いた同校教諭がバットの試し打ちを依頼したことがきっかけ。そのバットの完成度に驚いた福が昨年から招待プロジェクトを立ち上げた。

交流会では生徒たちが作成したバッグや木馬などが福にプレゼントされ「素晴らしいクオリティーで驚きました」と満面の笑み。バッグは「投手陣の練習時に活用したいけどいいかな」とその場で話すなど、多くの生徒たちと手話も交えながら会話するなど、笑顔の絶えない訪問となった。

交流会を終えた福は「こんなに喜んでもらえるんだと、素直にうれしかった」と感激した様子。自身は昨年10月に指定難病の「黄色靱帯(じんたい)骨化症」が判明して手術に踏み切った。そんな中での今回の訪問。「ちょっとやっかいな病気になってしまった中で、モチベーションを上げさせてもらった。あの子たちの笑顔を見て、より責任感も増した。2月のキャンプへの意識が上がった」。復活に向けて確かな力を得た様子だった。

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