仙台市出身の阪神熊谷敬宥内野手(27)が「3・11」への思いを語った。

11年の東日本大震災は中学の卒業式前の時期だった。外で友達と遊んでいた時に地震が起きた。熊谷の地区は震度7で、電気、ガス、水道が止まった。「本当に忘れちゃいけない日。年末年始に仙台に帰っても、まだまだ復興していない部分もある。僕が少しでも活躍して、みなさんに元気を届けられたらいいなと思う」と話した。

代走、守備固めのスペシャリストとして、キャンプ前に岡田彰布監督(65)から1軍内定をもらった。この日は9番・二塁でスタメン出場し、4回無死一塁、カウント1-1からバスターエンドランで左前安打を放ちチャンスを広げた。「やっぱりつなぎ役なので、ああいうところではすごく求められる。嫌らしい打撃が大事」と、打撃でも求められる役割は理解している。

それでも「本当に中野からレギュラーを奪うという強い気持ちを持っていないと、いい準備もできなくなる。今出ている二塁の3人で競っていかないと、僕のレベルも上がっていかない」と、WBC参加で正二塁手の中野拓夢内野手(26)が不在の今、熊谷、同じくスペシャリスト枠の植田海内野手(26)、日本ハムから移籍してきた渡辺諒内野手(27)の3人で切磋琢磨(せっさたくま)しチームを底上げする。