“オカモト相関図”を張り巡らせる。WBCで世界一をつかんだ侍ジャパンの巨人岡本和真内野手(26)が、帰国後初戦で貫禄の一打をマークした。

オープン戦最終戦の楽天戦(東京ドーム)に「4番三塁」でスタメン出場。2回先頭の1打席目に、楽天バニュエロスの147キロ直球を左前にクリーンヒットした。キャプテンが開幕前の最初で最後の一戦で、チームの中心に加わった。

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岡本和が存在感を醸し出した。2回先頭、チーム合流後初戦の初打席で強烈な左前打。「思ってたより体が重いです。もしかしたら、時差ぼけしていたかも。変な時間に寝たり、起きちゃったりする」と万全のコンディションでなくとも関係ない。試合前練習では柵越えを連発。1安打1四球で4番にどっしり座り、6回にベンチに退いた。

侍でも巨人でも、先輩後輩問わずに愛されていた。エンゼルス大谷には取材中にちょっかいをかけられ「コミュニケーション取ってくださるのですごいありがたい」と距離が縮まった。ライブBPで初対戦時に「一番(威圧感を)感じた」と評されたパドレス・ダルビッシュからは、侍メンバーに配られた青い水筒を自身ももらって愛用。教わったサプリメントやトレーニングも活用する。

同学年の2人とも関係を深めた。阪神中野とは宮崎での強化合宿からキャッチボール相手を務め、日本でもアメリカでも買い物に行く様子を開設したばかりのインスタグラムにたびたび投稿。広島栗林の負傷離脱が決まると「良吏の分まで!」と発奮した。

後輩にも絶妙な距離感で愛される。ヤクルト村上とロッテ佐々木朗、オリックス宮城からは親しみを込めて「師匠」と呼ばれた。「あいつらなめてるんすよ」と笑顔と大きな懐で受け止めた。DeNA牧のおちゃらけた動画をインスタに投稿。イジりも交えながら、すっかり仲良くなった。

巨人のユニホームに袖を通しても変わらない。オープン戦初出場初安打をチームメートも、ファンからも祝福された。「オレンジが多いなと」と本拠地凱旋(がいせん)をかみしめた。5日後には新シーズンが幕を開ける。“愛され新キャプテン”が相関関係を描きながら、日本一へとまい進する。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(4番岡本和に)「どっしりという部分の落ち着きみたいなのは出ますね。緊張感の中でプレーしていたわけですから仕上がりの点では早いほうだと思います」

<岡本和真の一問一答>

-初ヒット

久々のチームでの試合でちょっと緊張感があったんですけど、ヒット打ててよかった。

-開幕へ向けて新キャプテンとして

チームで本当に日本一になれるように、1試合1試合戦っていきたい。

-守備は打球飛んでこなかった

飛んできてほしかったなと。まあ、でもしっかりとやっていきたい。

-今後は2軍戦とかでも出場予定

そこはまだ何も言われてないので、分かったら教えてください(笑い)。

◆岡本和のWBC 全7試合に出場し、6試合で「6番一塁」で先発出場。16日の準々決勝イタリア戦では3ランを放つなど2安打1本塁打5打点。米マイアミでの決勝ラウンド進出へ導き、お立ち台で「最高です」6連発で話題を呼んだ。米国との決勝ではソロを放つなど2安打で優勝に貢献。ヤクルト村上との「師匠」と「弟子」のアベックアーチを決めて、シャンパンファイトで互いにかけあって喜んだ。7試合で18打数6安打の打率3割3分3厘で吉田、牧と並んでチームトップの2本塁打を放ち、吉田、大谷に次ぐ7打点と打線をけん引した。日本時間22日に世界一を決めて23日に帰国。24日の練習から巨人に合流していた。

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