<ソフトバンク5-3ロッテ>◇2日◇ペイペイドーム

ソフトバンクが新生吉井ロッテを蹴散らして3年連続の開幕3連勝。

「もっともっと全力で頑張ります」。試合後の藤本監督は納得の試合運びにも、さらに貪欲な姿勢を崩さなかった。打撃不振にしかめ面だったオープン戦から一転、侍組が打線に加わって活性化した。投手陣の踏ん張りはもちろんのこと、やっぱりゲームは打線が打って点を取らないことには勝てない。

試合前からちょっとワクワク感があった。この日は球団創設85周年&ドーム開場30周年のダブルアニバーサリーゲーム。ドーム球場内にはダイエー時代の球団歌「ダイヤモンドの鷹」が流れ、ホークスは黒の記念ユニホームで戦った。

2戦目から5番に座る牧原大のバットが打線に勢いを呼び込んだ。2回の攻撃。先頭の牧原大が中堅左へ打球を放つと「いつも次の塁に行ければ行くという気持ちでいます」と、迷いなく一塁を蹴って二塁打とした。このヒットを足がかりに1死満塁から9番甲斐の左翼越え二塁打と近藤の中越え二塁打で大量4点を先制した。牧原大の二塁打はホークスにとって「メモリアル」な一打でもあった。1リーグ時代を含め、チーム通算9万4000本目のヒットだった。ホークスが産声を上げた1938年(昭13)8月27日の巨人戦で西端利郎選手が右前打を放ったのが記念すべき「ホークス初安打」。牧原大の一打は球団史の重さを想起させてくれた。さらに6回先頭で中村晃がしぶとく中前打。このヒットは1950年(昭25)にパ・リーグとなってからチーム通算8万6000本目のヒットとなった。1000本刻みの区切りの数字を1試合の中で通過するのは何とも珍しい。まさにW記念デーにふさわしい2本の快打だった。

試合を振り返れば、豪快に打ち勝ったというわけではない。1点差に詰められた7回には中前打で出塁した周東が二盗を決め、近藤の遊ゴロで三進。暴投を誘ってホームを踏んだ。快足男の「足の揺さぶり」が生んだ追加点だったし、今宮は3犠打を成功させチャンスメーク。これで主砲柳田が復調したら、どんな打線になる? Wメモリアルイヤーにふさわしい戦いが待っている。

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