「山本撃ち」で「開幕6連勝」とはならなかった。ソフトバンクがオリックス山本に6回を散発2安打無得点に封じられ、山本には昨季から4連敗となった。藤本博史監督(59)は「(連勝は)いつかは止まることやからね」と冷静に受け止めた。

「最強右腕」の牙城を崩せなかった。2回1死一、二塁の好機で上林は低めに鋭く落ちるフォークで3球三振。続く今宮も空振りで連続三振。先制ムードも、絶対エースの前にあっさりかき消された。4回2死で昨季、山本に打率4割(15打数6安打)をマークした5番牧原大が中前打を放つが後続が断たれた。5回以降は無安打で三塁すら踏めなかったが、指揮官は「ヒットは出ていなかったけど、去年よりは案外、対応できているかなと」と今後への手応えを口にした。

試合前、吉本打撃コーチはキーマンに周東の名を挙げていた。「塁に出ればバッテリーに対するプレッシャーも大きい」。しかし期待された1番打者は3打数無安打。開幕から5試合連続安打と好調だったバットマンも、2年連続沢村賞を獲得したスーパーエースから快音は響かなかった。

連勝は5で止まり、今季初の黒星を喫したが、京セラドーム大阪では20年10月以来となるカード勝ち越し。昨季はマジック「1」としながら直接対決の結果でオリックスにリーグ優勝を許した。その宿敵との今季初の3連戦で好スタートを切った。指揮官は「負け越してないんやから。胸を張って宮崎(西武戦)に行けばいいんじゃないですか」と前を向いた。【佐藤究】

■高橋礼45球で降板

連勝のバトンをつなげず、先発高橋礼は猛省した。「先頭打者を毎回出してしまい、リズムの悪い投球になってしまった」。3回、四球をきっかけに森に右中間へ適時二塁打。さらに中川圭を歩かせ45球で降板。「初回、2回のように粘れれば良かったけど、3回はそれができなかった」。約2年ぶりの先発マウンドも結果を残せず「チームがいい流れの中で今日のような投球をしてしまい、申し訳ない」と唇をかんだ。

■牧原大6戦連続H

牧原大が開幕からの連続試合安打を6に伸ばした。4回2死では山本から中前打。7回先頭でも、代わった阿部から内野安打を放った。打率4割6分2厘は両リーグトップ。早くも5度目のマルチ安打と絶好調だが「ヒットが出ているので、このまま続けられればいいですけど、いつ止まるかわからないので。打てるときにしっかり打っておきたい」と冷静に話した。

■嶺井初マスクも…

DeNAから加入した嶺井が、移籍後初出場した。7回に代走で登場し、その裏の守備からマスクをかぶった。だが2点ビハインドの8回に、手痛い3点を失った。「点をやりたくない場面だったので、なんとか0で抑えたかったんですが…」と悔しがった。経験豊富な捕手は、今後に向け「準備はいつもしていますので。次はしっかり抑えられるようにしたい」と気を引き締めた。