首位ソフトバンクが「ファイト! 九州デー」の鹿児島開催で、19年以来4年ぶりの白星を挙げた。

先発の藤井皓哉投手(26)が6回途中無失点で今季2勝目。先発転向1年目で、12回2/3を無失点と安定感を見せている。打線は適時打はなくても、犠飛と押し出し四球で泥臭く3点を奪い、連敗を2でストップ。11日からは福岡で日本ハムと2連戦。本拠地で首位固めだ。

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藤井が鹿児島に集まった鷹党に4年ぶりの勝利を届けた。立ち上がり1回は3者連続の空振り三振。うなる150キロ超の直球で、桜島の見える平和リースを沸かせた。「苦しい時に声をかけてくれたり、拍手でも声援をくれた。自分が苦しい状況でも力になりました」。球場の温かい応援に感謝した。

降板タイミングは不本意だった。3-0の6回2死で児玉に遊安を浴び、球数は95球。踏ん張りどころでマキノンに四球、佐藤龍に死球をぶつけた。「イニングの途中で代わることだけはしたくなかった」。満塁を残して救援を仰ぐことになり唇をかんだが、2番手の嘉弥真がそのピンチで栗山を1球で二ゴロに仕留めた。嘉弥真に頭を下げ、藤井は「次回はしっかり投げ切れるように」と引き締めた。

結果的には5回2/3を2安打無失点、8奪三振。慣れない地方球場で公式戦初先発だったが、独立リーグ時代の経験が生きた。21年は四国IL・高知に所属し、NPB開催のない球場で腕を振ってきた。当時の登板は「自分の中で投げる位置や目線を微調整しながら投げていました」と振り返る。この日も同じで「見てる人には分からないと思いますが、1球1球調節しながら。どうやればアジャストできるかなって探りながらでした」。マウンドに気を使いながらも奪三振ショー。藤井の魅力の1つだ。

これで開幕から2戦2勝。先発転向1年目ながら12回2/3をいまだ無失点だ。藤本監督は「今日104球で終わったけど、伸ばしていけるように調整してくれたらいい」とうなずいた。チームは開幕5連勝のあと2連敗だったが、藤井が負の流れを止めた。【只松憲】

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