西武は14日、育成選手の古市尊捕手(20)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は125から「65」に変更される。

捕手が1人、必要な状況にあった。西武は13日まで支配下の捕手が6人で、開幕後は柘植世那捕手(25)と古賀悠斗捕手(23)がスタメンマスクを分け合い、チーム防御率2・11(13日終了時点)に貢献。FA移籍した森の穴を感じさせないプレーが続く。

一方で、3人目の捕手として1軍ベンチに入っているのは佐藤龍世内野手(26)だ。一塁、二塁、三塁、外野を守れるスーパーサブは、高校時代の捕手経験を買われていた。

ただ、その佐藤龍は打力があり、打線の中核となる山川と源田が治療最優先で不在の現状では、この日の日本ハム戦(エスコンフィールド)のように三塁などでスタメン起用される機会がある。

「捕手をもう1人」と考えた場合に、現状が苦しかった。通算325試合出場の岡田雅利捕手(33)は昨夏に左ひざを手術し、今季はまだ2軍戦にも出場できていない。昨年11試合に出場し、将来性が期待される牧野翔矢捕手(22)は右肘のトミー・ジョン手術を受け、球団としても焦らせない方針だ。

春季キャンプでA班(1軍)に抜てきされた中熊大智捕手(26)は、右肘の違和感のため、キャンプ途中からスローイングの強度を落とすことに。斉藤誠人捕手(27)も右腕を痛め「やっと先日、試合で盗塁を1つ刺せました」(斉藤誠)と、まだ2軍戦でも少しずつ出場機会を増やしている段階にある。

野田海人捕手(18)は2軍開幕戦で安打を放ったものの、まだ高卒1年目で体作りも必要になる。育成ルーキーの「火縄銃」こと是沢涼輔捕手(22)も、まだ2軍戦でフル出場がない。13日には柘植が頭部死球を受けるなど、長いシーズンでいつアクシデントが発生するか分からない。渡辺久信GM(57)は昨秋から評価を高めていたことを明かしつつ「なるべくしてなったという感じがします」と話した。オープン戦で高橋、平良ともバッテリーを組み、粘り強い打撃も見せた古市が、自然な流れで念願の支配下登録をつかんだ。【西武担当=金子真仁】

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