日本ハム松本剛外野手(29)が楽天6回戦(楽天モバイルパーク)で自身3本目の先頭打者本塁打を放った。

「1番左翼」でスタメン出場し、楽天岸のカーブを左翼ポール際へ今季1号となる先制ソロを運んだ。幸先よく始まった試合だが、延長戦の末に今季3度目のサヨナラ負け。5位浮上は逃したが、チームのリーダー格である背番号7は最下位からの巻き返しへ向けた手応えを明かした。

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松本剛が、通算149勝を積み上げてきた岸の宝刀を打ち砕いた。初回の先頭打者として、フルカウントから110キロのカーブを思い切り引っ張った。「追い込まれていて、なんとか必死に。カーブにうまく(フォームを崩されずに)止まれて、いいスイングができた」。直球も頭に入れながら緩急に対応して捉えた打球は、左翼ポール際へ飛び込む先制1号ソロ。自身3本目の先頭打者アーチは、昨季首位打者の打撃技術が詰まっていた。

試合中に球団を通じて発信されたコメントは「とにかく、もう1本打ちます!」。さらに得点を重ねて勝ちきることを目指したが、4回2死一、三塁の好機では左飛。「次のチャンスで僕も打てなかったですし、ガッといけるところで、なかなか僕を含めて出ていない」と悔やんだように、チーム全体でもあと1本がでず、延長までもつれた接戦を勝ちきれなかった。

この日でチームは20試合を戦い終えた。開幕前に新庄監督は「開幕して20試合、全て勝つつもりで。これを乗り越えたら勢いに乗っていく」と目指したスタートダッシュはならず、6勝14敗で借金8。この現状に松本剛は「勝ち癖、勝ち癖ってオープン戦から言っていて、いいスタートが切れればというのはありましたけど…今ね、そこをどうこう言ってもしょうがない」と割り切って前を向く。故障者が続出してはいるが、チームの戦いぶりには手応えも感じているからだ。

松本剛 最近のゲーム自体は結構いいゲームが続いていると思う。そこで勝ち切るには、チャンスで1本打てるか打てないか。でも、最近は結構チャンスができているなと感じる。簡単に終わらない回も増えているし、これを続けていけたらと思います。

シーズンは、まだまだ123試合もある。巻き返しへ、背番号7が感じるチーム覚醒の予兆を現実にしたい。【木下大輔】

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