連夜の履正社劇場だ! 阪神坂本誠志郎捕手(29)が、2安打1打点&好リードで、スタメンマスクの6試合連続勝利の不敗神話を継続した。履正社の後輩井上が先制2点打を放った直後の初回2死一、二塁。ヤクルト高橋から中前適時打を放ち、3点目を呼び込んだ。「前に頼もしい後輩がいるので、まねして打ちました」と照れ笑いした。

前日27日の巨人戦も6番井上が3安打4打点、7番坂本が先制打を含む2安打2打点で15-0の大勝を演出した。高校時代は岡田監督(龍生氏、現東洋大姫路監督=61)、そしてプロでも岡田監督のもとで戦う履正社コンビが、2試合連続で白星に大きく貢献した。 前を打つ8学年下の後輩について「打点が求められる立場だと思う。ランナーがたまったところで1本打てるのはチームにも本人にも大きい」とたたえた。一方で「僕も負けないように頑張りたい」と刺激を受けている。今季初の2試合連続スタメンで、今季初の2試合連続マルチ安打。まだ23打席しか立っていないが、打率も3割1分6厘に上げた。

「この球場(神宮)は1点でも多く取りたいし、1点でも少なく防ぎたいという思いがある」。守っては今季4度目の完封勝利を演出。「2人(バッテリー)で抑えるいつもの形ができた」と先発大竹の粘投を導き、3投手の継投も引っ張った。「なあ、さえてるよなあ」と、岡田監督のほおも緩みっ放しだ。

不敗神話について問われると、「ピッチャーがいいところに投げてくれるからそうなってると思う。いいことは続けられるようにやりたいと思います」とさらり。きわめて謙虚に、虎党の歓喜が響く神宮を後にした。【中野椋】

■大山納得2戦連続打点

4番大山が2戦連続打点となる2安打で貢献した。初回2死一塁から左前打でチャンス拡大し先制の3点を演出。3点リードの6回2死三塁では、2番手小沢から中押しの適時打を左前に運んだ。「先制点を取りたいところで輝がつないで、広大がしっかり打ってくれた。その後ズルズル行ったけど、そこで1点取れて。投手陣がゼロで抑えてくれていたので。勝ててよかった」と振り返った。