オリックス山下舜平大投手(20)が、3連勝を飾った。1軍デビューの3月31日開幕戦から3度目の対戦となった西武を相手に、7回6安打無失点、8奪三振。連続無失点イニングを20回1/3に伸ばし、0・37と安定の防御率をマークした。

背番号12の上の「ペーター」の愛称がほほ笑ましい。こどもの日にちなみ、ナインは背中にニックネーム入りのユニホームで登場。山下は「小さいころから呼ばれている」ペーターだった。

ほのぼのとした戦闘服でも、投球は西武を圧倒した。立ち上がりから自己最速タイの158キロ直球を連発。2回2死満塁、3回2死三塁などピンチを背負っても、得点圏ではデビュー戦から被安打ゼロの右腕は粘り抜き、それを19打数に伸ばした。「点をやらないのは大事だと思うので。どれだけ打たれても(無失点で)いけたらと思います。投げ急がずに1人1人アウトにしていくという気持ち」。3勝した3試合はすべて無失点だ。

試合前、3万人超の観客が埋めたスタンドを見上げ「興奮していました」と胸を躍らせた。幼いころは釣り好きで、友達と川や池でブラックバスをつかまえた。最初に興味を持ったスポーツは「お兄ちゃんがやっていた」サッカー。だが日本ハムのエース、ダルビッシュを知り、人生が変わった。「野球をやりたい」と家族に決意を伝え、球児になった。今では日本一球団の新星だ。この日は子どもたちの「ペーター」コールを一身に浴びた。「野球は本当に楽しいので、楽しんで野球をしてくれたらうれしいです」。何よりの思い出になる笑顔を、スタンドの子どもたちに返した。【堀まどか】

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