ソフトバンクが首位返り咲きに失敗した。いや、首位奪回どころか、オリックスの強さをまざまざと見せつけられる完敗に終わってしまった。

先発東浜が立ち上がりがピリッとしない。2回に4長短打などで3点の先制を許した。オリックスのエース山本には昨年5月3日に勝った後、4連敗中。それでも打線は山本の乱調にもつけ込み、押し出しと栗原の2点適時打で同点に追いついた。「あの回だけですね。よく粘ってボール球も見られて」。藤本監督は同点に追いついた場面を振り返って打線の粘りをたたえたが、明るい材料はそこだけだった。

デーゲームで2位ロッテが日本ハムに敗れたため、勝てばオリックスと入れ替わって4月21日以来、22日ぶりに首位の座に復帰するところだったが、試合を引き戻した後は、一方的な展開で黒星を喫した。結局、山本には5連敗。東浜は6回途中、5失点KO。ブルペン陣も失点し、オリックスに先発全員安打の計16安打を許し大敗。このカード8試合で計94被安打。1試合平均11安打以上を打たれている計算になる。対戦成績は4勝4敗ながら「つながる猛牛打線」にはさらに警戒が必要になってきた。

「もうちょっと攻める投球をしないと。ウチの柳田に対するオリックスの攻め方を研究していかないと。投手コーチには言ったけどね」。藤本監督は厳しい配球を見せるオリックス投手陣の攻め方を引き合いに出し、自軍バッテリー部門に注文をつけた。首位返り咲きはならなかったものの「1勝1敗やから悲観することはない。明日、勝てばいいんやから」。指揮官は強気に言い切った。【佐竹英治】

○…栗原が25打席ぶりの適時打を放った。3回、1点を返しなお2死満塁で山本の147キロのフォークボールを捉え、中前にはじき返す2点打。「とにかくチャンスを生かそうと集中しました。同点に追いつく1本となって良かった」。4日にペイペイドームでオリックス平野佳からサヨナラ打を放って以来、7試合ぶりの快打。チームは敗れたは、打撃不振に悩む主砲候補にとって復調の一打としたいところだ。