“北のアンダースロー”日本ハム鈴木健矢投手(25)が2日、「日本生命セ・パ交流戦」の巨人戦(東京ドーム)に先発し、5回2/3を9安打2失点にまとめて、今季5勝目を挙げた。打撃でも、2-1と1点を勝ち越した直後の4回1死二、三塁から強くたたきつけ、投手の頭を越えた打球(記録は遊ゴロ)で、プロ初打点を記録。投げて打って活躍し、交流戦1位死守に貢献した。

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ファイターズブルーの帽子は、噴き出す汗に変色していた。中5日で上がった緊迫のマウンドで、先発の鈴木が粘りの投球を見せた。“鈴木対策”として、左打者8人を、ずらりと並べた巨人打線に、9安打を浴びながら6回途中2失点。「すごい打順を組んできましたね。最初、びっくりしました。ミーティングと話が違うじゃんって」。6回1死二、三塁で、代打坂本を捕飛に仕留めて、同じく社会人出身で同期入団の河野にマウンドを託した。

この試合の前まで、右打者に対しての被打率は、わずか1割1分5厘。一方で左打者には2割7分2厘と、苦手にしていた。3回に2連続長短打で先制の1点を許し、5回には3ボール1ストライクから、巨人梶谷に右翼ポール際へ今季初被弾を許したが、心は折れなかった。被弾直後、絶好調の4番岡本和に対しては3球三振。今季自己最多の102球を投げ「めちゃくちゃヒットは打たれましたけど、粘れました。熱投しましたね。とか言って、(伊藤)大海に言ったら怒られるッスよ。『オレ、もっと投げている』って」と苦笑いも「ゾーンで攻められたのが良かった」と、胸を張った。

打席に立ったのは、この試合がプロ入り後、初めて。4回の第2打席では、1死二、三塁から、たたきつけた打球が大きく跳ねて、投手の頭を越える「ボッテボテ」のラッキーゴロ。三走のアルカンタラが生還し、プロ初打点を記録した。「奇跡です。たまたま、当たりました」と照れた。

千葉出身。スタンドには「兄と、じいちゃんと、高校の先輩と高校時代の恩師」が応援に駆けつけていた。「打たれまくって、どうなるかと思った。ピンチの場面で坂本さんを打ち取って、球界を代表する打者を抑えられたのは自信になります」。難敵を退けて手にした5つ目の白星に、誇らしげだった。

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