西武呉念庭内野手(30)は、高校入学から日本にやって来た。

今年で15年目。「台湾と日本、ちょうど半々ですね」という節目の年になる。「だから、沖縄は暑いですけど、台湾がこの時期暑いかとか、あんまり覚えていないんです」と笑う。

それでも故郷への思いはひとしおだ。WBC台湾代表では1次ラウンドで本塁打を放った。「玉山銀行台湾デー」として開催されたこの日も、一時ソフトバンクを逆転する3ランをかっ飛ばした。

「コロナ明けてから、たくさん観光客も来ているので、そこで何かしらの力になっていればうれしいです。もっと台湾の野球を盛り上げたいです」

50歳になった時、何をしていたいですか-。そう尋ねたことがある。

「もちろん、いまもう人生の半分が日本にいるので、両国の懸け橋というか、少しでも両方の良さを伝えられればいいなと。そういうような仕事をできたらと思います。もちろん野球はやりたいです。もっと絆を深められるような存在、小さな影響でもきっかけを作りたいですね」

そんな20年後を夢見ながら、30歳の今を懸命に走る。【金子真仁】

【関連記事】西武ニュース一覧