<ソフトバンク1-2西武>◇10日◇京セラドーム大阪

8連敗、借金18と苦しんでいた西武が、ようやく7月の初白星を手にした。12球団で最も遅く、球団史上4番目に遅い30勝到達となった。貢献したのは正捕手獲得へ励むプロ2年目の古賀悠斗捕手(23)。2試合連続の先制適時打で突破口を開いた。大雨で浸水被害もあった福岡・筑紫野市の出身。長崎生まれの隅田知一郎投手(23)との九州バッテリーで仕事を果たし、地元に力を届けた。

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古賀の努力が実り始めた。

2月の南郷キャンプ。正捕手取りへとことん守備練習をした。打つ時間がない。自分で時間をつくった。朝7時に球場に現れた。「第2クールの終わりから毎日やってます。朝1箱、練習後に1箱打てば、1日250球くらい」

朝から日没まで、どう見てもしんどそうだ。でも「しんどいと思ったら終わりなんで」。誰も見ていないからごまかすことだってできるのに。「ごまかす、ごまかさないというか、全ては自分のために」。ポジティブに汗を流し続けた。

見ている人もいる。松井監督のアドバイスが始まった。「監督直々なんて光栄ですし、教えていただいているのにやらずにいられないです」。2人だけの貴重な時間だった。打率はまだ1割台。「目標の2割5分を打てるように頑張っている最中です」。期待に応えるために、前だけを見る。【金子真仁】