18日に脳腫瘍のため28歳で亡くなった元阪神外野手、横田慎太郎さんの訃報から一夜明け、1軍全体練習が行われた甲子園、2軍全体練習が行われた鳴尾浜球場で半旗が掲げられ、阪神関係者が黙とうをささげた。練習開始時にはそれぞれ、横田さんが現役時代に本拠地での登場曲に使用していたゆずの「栄光の架橋」が流された。

ナインの口からは悲痛な思いがあふれ出た。16年に開幕から横田さんと1、2番コンビを組んだ高山は「5時20分くらいに目が覚めたんです」と切り出した。横田さんが亡くなったのは18日午前5時42分。その直前に目覚めたという。「オフで、あまり早く目が覚めることもないんですけど、目が覚めて。時間も時間だったので、最後にあいさつに来てくれたのかな」とかみしめた。

横田さんの入団当初から「教育係」を務めたという北條は、5月に1度見舞いに行っていた。「そこから外で散歩できるまでに回復したと聞いて、若干安心したんですけど。ヨコでもダメやったって思ったら…」。夜間練習などをともにし「一番、一緒におった」という後輩だった。「引退する時も思ってたけど、いざいなくなったってなったら、そういう思いになる」。あらためて野球ができる喜びが胸に響く。

北條も高山も、横田さんの引退セレモニーで「騎馬」を作って横田さんを担ぎ、引退会見では花束を手渡した。ともに今季は1軍昇格なし。高山は「彼の分まで結果を出して、甲子園で走り回ってる姿を見せるのが恩返しになる」と言った。横田さんの思いを胸に、これからも白球を追い続ける。【中野椋】

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