脳腫瘍のため、18日に28歳の若さで亡くなった元阪神外野手の横田慎太郎さんの葬儀・告別式が22日、生まれ故郷の鹿児島・日置市内で営まれた。

阪神百北(ももきた)幸司球団社長(62)ら多くの関係者や友人知人が参列。阪神OB会長でYouTubeチャンネルの「川藤部屋」で一緒に活動してきた川藤幸三氏(74)は「悔しいなあ。でもな。慎の方がよっぽど、もっともっと悔しいよな。無念だよな」と涙ながらに弔辞を読んだ。

「慎よ、いずれまた、会おうな。その時に、あの素晴らしいバックホーム、ワシに見せてくれよ」。川藤氏が語りかけたのは、19年の引退試合で見せた「奇跡のバックホーム」。中堅から矢の本塁返球で刺したプレー映像が式場内に映し出され、悲しみを誘った。喪主はロッテなどで同じ外野手として活躍した父真之(まさし)さん(60)。息子の現役時代の登場曲だったゆずの「栄光の架橋」が流れる中、涙で声を詰まらせながらあいさつを行った。

「慎太郎は6年半、自分の病気から逃げず、しっかり前を見て、最後まであきらめず、最後まで病気と闘ってくれました。慎太郎、わが息子、本当にありがとう!」

斎場周辺の沿道にも、約100人のファンらが駆けつけた。葬儀中は大粒の雨も降ったが、球団旗に包まれた棺が火葬場へ送り出される際には日が差し込んだ。「六甲おろし」や「かっ飛ばせ~! 横田!」のヒッティングマーチも響き渡る中「慎太郎! ありがとう!」の声も上がった。「奇跡のバックホーム」で鳴尾浜を沸かせたあの日のような大きな拍手に包まれ、天国に旅立った。【佐藤究】

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