またしても、栗山巧外野手(39)が西武勝利への突破口を開いた。

2回2死、ロッテ美馬のカットボールを振り抜く。舞い上がった打球は切れずに、右翼ポール際の中段に落ちた。チーム初安打の先制4号ソロ。「思い切り行けました」と喜んだ。

4番に座った17日の日本ハム戦も、チーム初安打の3号ソロを放った。リーグを代表する強打者が不在の西武打線で、何よりも価値のある2度の突破口。

「たまたまやとは思うんですけど、それは。でも結果としてチームに勢いを出せるようなスイングで良かったと思います」

5回にも外崎の安打後、センター前にはじき返して、2点目へのチャンスをつなげた。「ああいう、低い打球のヒットが増えてきたらええ感じかなとは思うんですけどね」。これがプロ通算2099安打目。阪神、ロッテで活躍した鳥谷敬氏に並んだ。

数字に多くを求めない。それより勝つことがうれしい。首位オリックス、2位ロッテ、交流戦の大きな負け越しが響き、まだ借金は10も残っている。

とはいえ、苦手ロッテに連勝できたことは大きい。栗山もひしひしと感じる。

「ほんと、1戦1戦チームとしての集中力はすごく上がってきていると思うし、強いチームと戦うことで学ぶことも多いし。成長して行けたらなというところですね」

打撃は成功率が決して高くないミッションだ。全てを求めず、やるべきところに集中し、良い結果を勝ち取る。打率は1割台にもかかわらず、この日2安打した時点では長打率も出塁率も3割を超えていた。

ペナントレースは長い。疲れから、夏に調子を落とす選手だっている。そんな高温高湿の中、出場した4試合連続で打点を挙げた。これもまた、143試合の流れを熟知したプロ22年目の蓄えだ。

「任せといてください! って、それじゃ夏だけみたいですね…。これからも頑張ります」

白い歯が輝く季節だ。【金子真仁】

【動画】西武栗山巧2098安打目は右翼に特大4号 出場4試合連続打点

【関連記事】西武ニュース一覧