阪神前川右京が意地の左前打を放ち、2戦連続の「6番右翼」起用に応えた。

4回無死。カウント2-2から広島森下の外角139キロ変化球をきっちりミートした。低いライナーとなった打球で三遊間を抜く左前打。15日中日戦以来、14打席ぶりの安打となった。

前日28日の広島戦では7試合ぶりにスタメン出場したが、3打席で3三振。7回の守備から途中交代となった。ベンチでは悔し涙もこぼし、「強くならないといけないと思います」と悔しさをにじませていた。

それでも岡田監督は2戦連続でのスタメン起用を決断。指揮官の期待に2打数1安打2四球の結果で応えた。前川は「昨日あんな形で終わってしまったので、なんとか打ててよかった。安心したという気持ちが一番。また明日から頑張りたい」と前を向き、球場を後にした。

■大山、先制犠飛で鼓舞

阪神大山が先制犠飛でチームを盛り立てた。初回1死一、三塁。「なかなか大量得点できるピッチャーじゃないので。1点1点どんな形でも、と思った」。広島森下の144キロ直球を捉え、高々と上がる先制中犠飛を放った。3回には再び森下から二塁打も放った。試合後は12回引き分けの結果に「明日の試合が大事。しっかり準備して頑張りたい」と次戦を見据えた。

■中野8戦連続安打、猛打賞

阪神中野が今季6度目の猛打賞をマークした。初回は無死二塁から左前安打でチャンスを拡大し、大山の先制犠飛につなげた。延長11回にも2死から右前安打で出塁。「疲れました。でも、しっかり次につながるというか、自分自身の結果としては、次につながると思う」。8試合連続安打で7月の打率は3割2分5厘と好調を続ける。「まずは負けなかったことが何より」と切り替えた。

■森下、あと少し大飛球

阪神森下はサヨナラをかけた場面で大飛球を放ったが、あと1歩届かなかった。延長11回2死一塁。戸根の127キロ変化球をすくいあげた。高弾道で左翼方向に運んだが、ひと伸びが足りず左飛に。「拓夢さんもつないでくれたので、大山さんにつなぐために打席に入ったけど結果が出なかった。また切り替えて頑張りたい」と前を向いた。

■岩崎3者連続三振

阪神守護神岩崎が3者連続三振と圧倒した。2-2の同点の9回に登板。先頭松山は外角低めの147キロ直球で見逃し三振。続く坂倉、田中は外角低めのスライダーで連続の空振り三振に仕留め、相手に流れを渡さなかった。「よかったです。ブルペンで粘って、打線の攻撃を待つことしかできないので、みんなよく粘ったと思います」。これで10試合連続無失点。抜群の安定感をみせつけた。

■島本「粘れてよかった」

阪神島本が延長12回を無失点で踏ん張った。坂倉、中村奨を2球で2死に仕留めたが、その後連打を浴びて2死一、三塁。この日3安打を放っていた1番小園を打席に迎えた。カウント1-2と追い込み、最後は137キロ変化球で空振り三振。チームに敗戦の可能性を消した。「ピンチを招いたけど、粘れてよかった。負けなくてよかった」と安堵(あんど)した。