オリックス山本由伸投手(24)が、両リーグ一番乗りとなる10勝目をマークした。昨季はリーグ最速で到達しており、2年連続のリーグ10勝一番乗りは、球団では71、72年の山田久志以来、51年ぶりの快挙だ。

1回は2安打を許し2死一、二塁のピンチを迎えたが、5番フランコを空振り三振に仕留めた。楽天とは今季初対戦。「長打のあるバッターが多いイメージがあります。勝負どころでしっかりと投げ切れるように、1アウトずつ積み重ねていきたい」。登板に向けてイメージしていた通り、丁寧な投球で、7回無失点の快投だった。

この日から恒例のイベント「Bs夏の陣」が始まり、緑色を基調とした特別ユニホーム姿で、楽天打線を無得点に抑え続けた。山本と「夏の陣」の相性はよく、昨季まで通算5戦3勝0敗、防御率0・87と抜群の成績。「いいイメージはありますね」と語った右腕はスイスイと投げた。

打線もエースを援護した。3回2死から山足、紅林の連続二塁打で1点を先制。4回には山本と実家が近所という“お隣さん”頓宮が、左翼へ12号ソロ。頓宮は「バッティングカウントだったので、思い切って振りにいきました。感触もよかったですし、追加点になってくれてよかった」と喜んだ。さらに宗が安打で出て無死一塁となると、続く7番杉本が送りバント。21年の本塁打王・杉本が、通算1468打席目で初めて犠打を記録した。得点にこそ結びつかなかったが、エースの好投に応える執念の攻撃だった。【高垣誠】

▼山本が自身初の両リーグ10勝一番乗り。オリックス投手の両リーグ10勝一番乗りは21年宮城以来9人、12度目。昨年の山本は7月23日にパ・リーグで最初に10勝しており、2年以上続けてパ・リーグ10勝一番乗りは67~69年鈴木啓(近鉄)71、72年山田(阪急)に次いで3人目だ。山本の2桁勝利は3年連続3度目だが、10勝到達時とその後の成績は21年10勝5敗→8勝0敗、22年10勝4敗→5勝0敗。10勝目を挙げた後は無敗で連続最多勝を獲得したが、今年はどうか。

【動画】オリックス山本由伸2年連続リーグ10勝一番乗り 5試合連続ハイクオリティ・スタート