自身にもチームにも、大きな花火を2発打ち上げた。ロッテ平沢大河外野手(25)が5月18日以来の「1番」起用に応え、プロ8年目で初の先頭打者弾を放った。「連敗が続いていたので、勢いづけられるような打撃をしたいと思った」。カウント3-1から日本ハム北山の甘く入った147キロ直球を強振。打球は、真夏のイベントで真っ黒に染まったファンが待つ右翼席で大輪の花となった。4月8日楽天戦以来、147打席ぶりの2号が同点ソロ。「有利なカウントになったので思い切って振りにいきました。すごい気持ち良かった」と白い歯を見せた。

平沢の真っ黒な顔が、苦労と努力の証しだ。開幕直後は好調も、5月は44打数1安打で、6月10日に1軍登録抹消。2軍で結果を出しても、1軍に呼ばれない。イースタン首位打者に輝いた昨季と同じ状況に「どうなるのか悩みましたけれど、(2軍監督の)サブローさんやコーチ陣にボールを呼び込む感覚を言われていたので、とにかく振り込んだ。たくさん食べて、たくさん寝た」。昼間は炎天下で試合と打撃練習。夜はアイパッドで自身のホームランやヒットの映像を繰り返し見て、イメージを脳と体に染み込ませた。7月22日、体調不良の藤原に代わり、再びチャンスを得た。

6回には初の1試合2本塁打。内角高めの149キロ直球を右翼席に運んだ。5回の右前打を含め、18年8月25日以来5年ぶりの猛打賞。母校・仙台育英の甲子園連覇に向けてのエール弾にもなった。4日からは故郷の宮城で楽天3連戦。「3連勝して帰ってきます」。大河の導火線に火がついた。【鎌田直秀】

▼ロッテ平沢が初の初回先頭打者本塁打。1試合2本塁打もプロ入り初めてとなった。1試合3安打以上の猛打賞は18年8月25日オリックス戦以来、5年ぶり3度目。ロッテの選手が先頭打者を含む1試合2アーチは、荻野が19年8月14日の日本ハム戦で吉田輝から記録して以来。

▽ロッテ吉井監督(平沢の2発に)「調子は良かったのでいつか打つかなと思っていた。2本もホームランを打つとは思っていなかったです」

▽ロッテ角中(5回に決勝適時三塁打)「今日は琉球風水的に勝負強くなるネイルをしてきました。ランナーがいる場面で打てて良かったです」

▽ロッテ西野(7回途中5失点でチーム最多8勝目)「調子は決して良くはなかったですが、チームのみんなに助けてもらいながら、なんとか投げることが出来ました」

【動画】ロッテ平沢大河が先頭打者弾に続き、1試合2発目の本塁打!猛打賞の大暴れ

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