日本ハム伊藤大海投手(25)の力投は、報われなかった。18日、オリックス戦(京セラドーム大阪)で8回4安打2失点も2被弾に泣き、今季初完投も7敗目。5回には球審に“追加ロジン”を要請するなど、蒸し暑い敵地マウンドで120球の熱投も、オリックス山崎福也投手(30)との“もくもく対決”に敗れた。チームは今季最長の6連勝を逃し、今季28度目の1点差負けを喫した。

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ドームとはいえ、蒸し暑い真夏の敵地マウンドで“もくもく対決”に敗れた。今季初完投も報われず、8回4安打2失点で7敗目を喫した伊藤は「今日、暑かったすね。球場の中が。汗かきました」。投球のたびに、滑り止め用のロジンを大量に使うオリックス山崎との投手戦。20年東京五輪で伊藤の代名詞になった「追いロジン」にも拍車がかかった。手汗が止まらず、5回1死一塁で球審にロジンの追加を要請。ロジンバックの中は「空っぽでした」と苦笑いした。

150キロ台を連発するなど、直球は走り、テンポ良くマウンドを支配していただけに「ちょっと、もったいなかった」と悔やまれたのが、相手に許した2本のアーチだ。被弾したのは3、7回。いずれも先頭打者にボール2つが先行し、痛打を浴びた。「カウント負けしてホームランを2発打たれたので、最低でも1本で抑えないといけない部分だった」。味方が1点を返した直後の8回も続投。既に100球は超えていたが「負けじと先輩に続こうと投げました」。18日に9回1失点と粘った上沢と同じ120球の熱投だった。

試合前に、日本ハム創業者一族の大社元オーナーから「土台が出来てきて、これから面白いチームになって来る。期待しかない」と激励を受けた新庄監督だったが、今季最長の6連勝はならず。「負けはしましたけど、素晴らしいピッチング」と伊藤の力投をたたえ、今季28度目の1点差負けにも「全然いいです。紙一重ですよ」。チーム力の積み上げを、実感している。【中島宙恵】

○…万波がチーム唯一のタイムリーを放った。2点を追う8回2死二塁で、内角高めの変化球を詰まりながら右前に落とし1点を返した。「多少、反対方向の意識を持ちながらっていう打席でした」。6回1死三塁のチャンスでは、中途半端に止めたバットに当たって二ゴロに倒れており「ちょっと止めたつもりが当たっちゃって。ああいうところで打てるようにならないと」と反省した。

▽日本ハム建山投手コーチ(伊藤について)「状態が上がってきている。全然、ベース板でのボールの強さも変わってきている。しっかりやってくれている」