ソフトバンク板東湧梧投手(27)が、約1カ月ぶりの先発でキャリア最多4勝目を手にした。本拠地西武戦で6回を3安打、ソロ2本による2失点。チームを連勝で4カードぶりの勝ち越しへ導いた。敗れた2位ロッテに1・5ゲーム差と迫り、8月は7勝7敗の勝率5割。藤本ホークスの反  撃の夏はここから始まる。

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石川のノーヒットノーランという歴史的1勝から一夜明け、板東も結果を示した。「昨日、石川さんが本当にすごいピッチングをしたので、自分自身も(流れに)乗ることができました」。ノーノーで勝っても1勝は1勝。板東はこの日の勝敗の意味合いを熟知し、6回2失点で応えた。

崩れなかったのが勝因だ。1点リードの4回、2死から中村とペイトンに2者連続ソロを浴びて逆転を許した。「あそこは1本で切り替えないといけなかった。ペイトンへの2球目のカットボールは1球目より甘かったし、事前に目付けをしてるという話があった中で不用意だった」。真面目な性格ゆえに反省の弁を述べたが、ペイトンの後は打者7人をパーフェクト投球。打線の再逆転を呼び込み、プロ5年目で最多の4勝目をつかんだ。板東は「楽しかったです。また投げさせてもらえるように結果を出したい」と白い歯を見せた。

かっこいい「イケ叔父」になった。6月の交流戦から先発に転向。一時はファーム調整もあったが、オールスターブレークで実家の徳島に帰ると、姉の娘と初めて対面した。かわいい姪っ子の笑顔に癒やされ「ふさぎこんだ気持ちもあった中で癒やされました」とリフレッシュ。年末年始に生まれた新しい家族のために腕を振り、チームを連勝に導いた。7月23日以来の1軍先発で結果を示した右腕に対し、藤本博史監督(59)は「昨日はノーノーで快勝したけど、今日は接戦をものにできたのが大きい。板東はテンポよく投げてくれた。当然次もありますよ」と先発ローテーション入りを明言した。

これで反攻をかける8月は7勝7敗の勝率5割に戻した。4カードぶりの勝ち越しで、敗れた2位ロッテには1・5ゲーム差と接近。鷹が少しずつ波に乗ってきた。【只松憲】