オリックス中川圭太内野手(27)が劇的な一打で、熱戦に終止符を打った。

「もう積極的に振りにいこうというのは決めていた。それがいい結果につながってくれて良かったと思います」。延長11回、2番宗が申告敬遠され1死満塁。ロドリゲスのツーシームを振り抜くと、打球は三遊間へ飛んだ。「ヤバイ、ゲッツーだと思いました」。しかし、高く弾んだボールに、相手野手陣は捕球できず。日本シリーズ進出を決めた昨年10月15日のクライマックス・シリーズ以来のサヨナラ打となった。

ウオーターシャワーで手荒い祝福を受けても、勝利の立役者は控えめに、両手のこぶしを握るだけ。感情をあらわにしないのは、中川圭が大切にしている流儀だ。「相手投手がいることなので、敬意を持ってそうしています。高校、大学通じて学んできたことです」。相手投手と対峙(たいじ)する時も一緒。打席での感情の振り幅を大きくしないよう意識する。ポーカーフェースの裏にはリスペクトの心。表向きには淡々と、自分の仕事に徹する。

自らが名付けた「無敵の中川」がもぎとった1点に、中嶋監督も一安心。「点の取り方忘れたかなと思って。やっと取ったな。でも形として勝つことができてよしとします」。今季7度目のサヨナラ勝ちで、貯金は最多23。最短で25日にも優勝マジックが点灯する。

この日はちょうど、今年発足した中川圭の後援会メンバーが応援にかけつけていた。「その方たちの後押ししてくれた打球だったかなと思います」と中川圭。応援に報いる活躍を見せ続ける。【磯綾乃】

○…先発の東がプロ最長の7回を3安打無失点と好投した。「調子自体もよかったですし、すべての球種でしっかりとバッターと勝負出来ていたと思います」。白星こそ付かなかったが、中嶋監督も「本当に持ち味全開でいいピッチングだった」と称賛。今季ここまで3度の先発で2勝0敗。東は「手応えを感じていますし、自信につながって、どんどんいいようになっている」と充実感をにじませた。

▼首位オリックス、2位ロッテがともに勝ったため、オリックスの最短優勝マジック点灯は25日となった。オリックスが22日からの西武3連戦に3連勝し、ロッテがソフトバンク3連戦に全敗したと仮定すると、25日のオリックス対ロッテの直接対決でオリックスが勝てばM23、引き分けるとM24が点灯する(ソフトバンクの成績次第で23が点灯しない場合もある)。

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