ロッテの坂本光士郎投手(28)が同点の7回に2番手で登板し、自己最速153キロの直球やスライダーなどで無失点。その裏にチームが勝ち越し、移籍後初勝利を挙げた。

1死後、ソフトバンク牧原大の打球は一塁ベースに当たる不運な二塁打となりピンチを迎えたが、柳田を左飛。近藤を申告故意四球後、中村晃を二ゴロに抑えた。「自分はストレートが一番のセールスポイントなので、それでねじ伏せようと思って投げました。鳥肌すごかったです」。殊勲の右前決勝適時打を放った石川慎吾外野手(30)の打席では、「ヤクルト時代から(巨人での)石川さんにはけっこう打たれていたので、絶対打ってくれると思って見ていました」と感謝した。

9回を締めた益田直也投手(33)からウイニングボールを受け取った。「絶対に意地悪されるんだろうなと思っていたんですけれど、しっかり渡していただいたのでうれしかったです」と苦笑い。ヤクルト時代の21年4月24日の中日戦以来のプロ2勝目だが、初勝利の記念球は両親にプレゼントした。今回の勝利球については「いつもお世話になっている沢村さんと益田さんに、サイン書いて渡そうと思います」とニヤリ。そう言えることも、ロッテ投手陣の良好な雰囲気の象徴だ。

昨年7月29日にトレードでロッテに移籍。貴重な左の中継ぎとして存在感は際立っており、移籍後45試合目の登板での白星だ。今季はすでに試合数、イニング数ともに、1シーズンのキャリアハイを更新。「ロッテにとってもらって、とにかく恩返ししたい気持ちがあったので、移籍後初勝利はすごくうれしいです」と笑った。【鎌田直秀】

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