巨人梶谷隆幸外野手が猛打賞でリードオフマンの役割を全うし、逆転劇を呼び込んだ。1点を追う4回先頭の打席、中前打で出塁すると、犠打と丸の適時内野安打で一時同点の走者となった。再び1点を追う8回には、この日3安打目となる中前打。ここでも丸の同点犠飛で生還した。1週間ぶりのスタメン起用に「体が違和感なかったから大丈夫でした」。8月2日以来約1カ月ぶりの3安打で2得点をマークし、2試合連続の9回勝ち越しをもたらした。

4番とともに直近2カード、戦線から離脱した。事態が急変したのは8月29日の朝だった。39度の発熱に「かなりやばかった。何も食えなかった」。岡本和と特例による出場選手登録抹消を余儀なくされた。その日は食事をとることさえできず、体重は2キロ減。横浜スタジアムで1軍再合流した9月1日、「技術の感覚は大丈夫。あとは体だけ」と打撃感覚を擦り合わせた。

試合前には大黒柱の坂本が体調不良で離脱する事態を、バットで救った。帰ってきたリードオフマンは「僕は基本的には塁に出ることしか考えていない。もちろん長打も打ちたいですけど、欲を出すと率は下がるので、今の状態のまま長打が出てくれれば」と、さらなる存在感を発揮していく。【栗田成芳】

▽巨人中川(9回を3者凡退で締めて4年ぶりの2ケタ10セーブ目をマーク)「普段、やり慣れているポジションではないので緊張感を持って臨みました」