ソフトバンク井上朋也内野手(20)が26日、2位死守の起爆剤になることを誓った。前日25日のロッテ戦でプロ初アーチの決勝ソロ。売り出し中の高卒3年目は出場3試合連続安打中と好調で、地元大阪で開催される27日のオリックス戦もスタメン出場が濃厚だ。好調の要因は、栗原陵矢外野手(27)から譲り受けた思い入れのある相棒。右手首の骨折で離脱した先輩の無念も背負い、激烈なCS争いを勝ち抜く一撃を放つ。

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うれしいプロ1号から一夜明け、井上はほっともっと神戸での練習で大量の汗をかきながらバットを振った。長谷川打撃コーチから身ぶり手ぶりで助言をもらい、藤本監督も打撃ケージの裏から20歳の打球を見つめた。27日のオリックス先発は左腕の山崎福で、右打者の井上はスタメン出場する見込み。「出るかは分からないですが、出ると思ってしっかり準備していきたいです」と気合を入れた。

25日のロッテ戦では左腕小島から決勝ソロ。高卒3年目の一打が11安打10得点の猛打を呼び、チームを単独2位に押し上げた。視察した王球団会長は「これからもっと打つよ」とさらなる活躍に太鼓判。井上もムード盛り上げる存在と自認し、「一番若いので、起爆剤になれるように頑張ります」と頼もしく宣言した。

9月6日にプロ初昇格し、出場3試合連続で安打中。好調の要因は“栗原バット”にあった。5月から先輩にもらった相棒を使用。過去に借りた際に「練習で使ってみてもいい感じだった。(ファームの)試合でも結構打てたので」と好感触だったことから、数本プレゼントしてもらったという。従来使っていたモデルと重さや長さは同じだが「形が少し違うだけ。ヘッドの向きも良かったので、栗さんに何本かもらいました」。8月に右手首を骨折して離脱した先輩の無念も背負い、一緒に戦っている。

27日は5連勝した7月2日以来の3連勝がかかる。2位とはいえ3位楽天が1差で迫り、この日敗れた4位ロッテも1・5差にいる。残り8試合。逃げ切りでCSホーム開催を勝ち取れるのか、Bクラスで終戦してしまうのか。天国と地獄の狭間で井上かかる期待は大きい。地元大阪で初めての1軍試合。両親や恩師らも見に来る大事な一戦に向けて「いい姿を。せめて1本。1本は打ちたい」と闘志を燃やした。【只松憲】

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