今季限りで現役を引退するヤクルト荒木貴裕内野手(36)が、今季初めて1軍戦に出場した。7回に代打で出場し、2打数無安打。それでも9回1死ではもうひと伸びで本塁打という鋭い当たりを見せ、神宮を沸かせた。

「悔しかったです。自分でも良いスイングができたので入ったかなと思ったんですけど。こういうところが僕だなと思いました」と語った。代打出場後は一塁の守備に就いた。

試合前の円陣では声出しを行った。「選手1人ひとりは技術も考え方もしっかりしているので、僕が何かを言うということは必要ないと思ったので、来年は選手じゃなくて一ファンとして、ヤクルトを応援しているからと伝えました」。

胴上げは背番号にちなんで10回。14年の現役生活を振り返り「幸せだったとは言えないです…」と話した。理由について「個人的な数字としてもやっぱり、全然、納得いかない。というところまで行けてないですし。チームにももっと、できたんじゃないかというのはあります。ただ、その中で優勝できた時に報われたなという気持ちになりました。でも、圧倒的に苦しい時のほうがやっぱり、まあみんなそうだと思うんですけど、多かったなって思います」としみじみと語った。

近大から09年ドラフト3位で入団。ユーティリティーとして昨季は代打や守備固めで47試合に出場したが、今季は試合前時点で1軍出場はなかった。通算685試合に出場し18本塁打、116打点の成績を残した。

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