オリックス山本由伸投手(25)が、前人未到の3年連続4冠を手にした。16勝、防御率1・21、勝率7割2分7厘、169奪三振すべてでトップを守り、先発部門の全タイトルを独占。名実ともに日本球界のエースとして君臨した。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦(18日、京セラドーム大阪)の先発にも意気込みを見せ、リーグ3連覇の次は2年連続日本一へ腕を振る。

日本球界どこを見渡しても、山本にしか言えない言葉だった。「すべて取れたということがすごくうれしく思います。1年通して、しっかり投げられたので、それがいい結果につながってすごくうれしいです」。史上初となる3年連続の4冠達成。マウンドのりりしさとは少し違う、柔らかい口調だった。

左足をあまり上げない新フォームに挑戦した今季も、シーズン通して日本のエースであり続けた。9月9日ロッテ戦(ZOZOマリン)では2年連続のノーヒットノーランを達成。「やっぱり、ノーヒットノーランを達成できた試合はすごくいいボールが多かったですし、運良くできたものではありますが、すごくいいところが多かったと思います」。山本にとってもベストゲームだった。

リーグ3連覇へとチームを押し上げ、次は2年連続の日本一へと向かう。ポストシーズン初戦は、18日のCSファイナルステージ第1戦。エースに先陣のマウンドを任されることが確実視される。

「しっかり体調を合わせて、バチっと。ちょっと間隔が空いて、試合が久々になると思う。チーム全体としてはすごく難しい入りになると思うんで、しっかり僕が調子を整えて、なんとかその1試合を取れるように」。チームの流れを決める役目へ、自覚はばっちりだ。11日の紅白戦で調整登板し、決戦のマウンドへ向かう見込み。まだまだ栄冠を目指して、腕を振る。【磯綾乃】