西武源田壮亮内野手(30)が6日、埼玉・所沢市内の所沢小学校で「夢をかなえるために大切なこと」をテーマに講演を行った。西武が取り組む「所沢市立全小学校応援プロジェクト」の一環で登壇。小学4~6年の児童約500人を前に「思い込みを外してチャレンジすること」や、「周りを頼ること」の重要性を語った。

児童からの質問コーナーで「プロ野球選手をめざすきっかけ」と質問があがると、愛知学院大時代に参加した大学侍ジャパンの合宿を例に挙げ、「思い込み不要論」を話した。合宿では代表には惜しくも選ばれなかったが「それまでは自分なんかなれないだろうとか、もっとすごい野球選手がいるんだろうなっていう感覚をずっと持ってたんですけど、その思い込みが外れて、そこから本気で野球選手になりたいって思えるようになった」と明かした。子どもたちに向け「みんなの不安とか悩みって、思い込みだと思うんですよね。絶対できる、僕はできるんだっていう気持ちで、いろんなことにチャレンジしてほしいなって思います」と優しく語りかけた。

また、「プロ野球選手になるにあたって苦労したこと」という質問では、自身が経験した苦悩を明かした。中学、高校時代にイレギュラーバウンドした打球が目や口に直撃し、手術を経験した。恐怖感からプレーが難しくなり、1人で解決しようと抱え込んだという。意を決してコーチに相談すると、近距離から下手で転がされた柔らかいボールを捕球する練習からスタート。徐々に恐怖を克服した。「1人でこの恐怖を乗り越えないといけないと思ってみんなにプレーする怖さを隠して、自分で頑張ってたんですけど。ちょっと限界が来た時に、初めて周りの人にお願いをして、周りの人を頼ってみて、それで乗り越えることはできました」と、18年から5年連続ゴールデングラブを獲得した名手にも、ボールへの恐怖を抱いていた時期があったエピソードを告白した。

この経験から「周りの人に頼ることっていうことは恥ずかしいことじゃない。周りの人と協力してやれば、いろんなこと乗り越えられる」と締めくくった。講演を終えると「逆に僕が元気もらいました」と元気いっぱいの子どもたちから刺激を受けた様子だった。