中日が今オフ戦力外となった巨人中島宏之内野手(41)、ソフトバンク上林誠知外野手(28)、阪神山本泰寛内野手(30)の獲得することが15日、分かった。阪神板山祐太郎外野手(29)は育成選手として獲得する。2年連続最下位からの巻き返しへ、得点力アップが急務。中島には「代打の切り札」としての役割を求め、上林らには攻撃力に加え、ディフェンス強化を期待するとみられる。

就任3年目で待ったなしの立浪竜が動いた。2年連続最下位からの下克上へ、戦力の底上げを図る。チーム得点数も2年連続で12球団ワースト。今季優勝の阪神は四球増を得点増につなげたが、指揮官は「ウチの場合は得点圏(での勝負弱さ)。犠牲フライ1つにしても打点が大事」ときっぱり。チャンスに強い攻撃力の充実を狙う。

そこで白羽の矢が立ったのが中島だ。西武時代には08年から2年連続で最高出塁率、09年は最多安打との2冠にも輝いた。大リーグ球団のアスレチックスを経て、15年からオリックス、19年からは巨人でプレー。巨人では主に右の代打として、22年から2年連続で打率3割超の得点圏打率をマーク。来季22年目を迎える41歳が、好機での代打の切り札役として期待される。

ソフトバンク上林は5年目の18年に全143試合に出場し、打率2割7分、22本塁打、62打点。その後は故障に泣かされ、昨季は右アキレス腱(けん)断裂する大ケガを負った。中日には外野の控えに加藤翔、後藤らが控えるが、パンチ力のある上林の潜在能力はレギュラーも争えるレベルといえる。

阪神山本は内野のユーティリティー。チームは今秋のドラフトでも即戦力内野手2人を獲得しているが、固定されない二遊間にさらなる競争意識と厚みを与える存在となりそうだ。

◆中島宏之(なかじま・ひろゆき)1982年(昭57)7月31日、兵庫県生まれ。伊丹北から00年ドラフト5位で西武入団。11年オフにポスティングシステムで大リーグ移籍を目指し、ヤンキースが入札も交渉決裂。12年は西武に残留し、同年オフにFAでアスレチックスと2年契約。13、14年ともに大リーグ出場なし。15年にオリックスへ移籍し国内復帰。18年オフに自由契約となり巨人移籍。通算1933試合で1928安打(打率2割9分3厘)、209本塁打、994打点。09年最多安打、08、09年最高出塁率。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞3度。08年北京五輪、09年WBC日本代表。180センチ、90キロ。右投げ右打ち。

◆上林誠知(うえばやし・せいじ)1995年(平7)8月1日生まれ、さいたま市出身。仙台育英では春夏合わせて3度の甲子園出場。13年ドラフト4位でソフトバンクに入団。18年に全試合出場を果たし、自己最多22本塁打。19年4月29日の日本ハム戦でパ・リーグ平成最後の本塁打を放った。昨季は5月に右アキレス腱(けん)断裂の大けがで離脱し、33試合出場にとどまった。通算602試合出場、57本塁打、203打点、打率2割4分2厘。185センチ、90キロ。右投げ左打ち。

◆山本泰寛(やまもと・やすひろ)1993年(平5)10月10日、東京都生まれ。慶応高から慶大に進学し、15年ドラフト5位で巨人に入団。20年オフに金銭トレードで阪神に移籍した。22年はキャリアハイの86試合に出場、打率2割4分9厘、2本塁打、15打点で存在感を見せた。バッテリー以外の内野全ポジションをこなすユーティリティープレーヤー。通算成績は341試合に出場、打率2割3分5厘、5本塁打、40打点。176センチ、74キロ。右投げ右打ち。

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