9月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた楽天西口直人投手(27)が、最速160キロを目指してはい上がる。

復帰まで約1年かかることから来季の支配下契約は結ばず、10月に育成での再契約を打診されていた。18日、仙台市内の球団事務所で契約交渉に臨み、1000万円減の3200万円(金額は推定)で育成契約に合意。術後の経過は良好で、リハビリを経て25年シーズンに完全復活を果たす。

西口は焦らずに力を蓄える。9月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、現在はリハビリ中。体幹や下半身強化に励み、日常生活にも支障がない状態だという。「1年ぐらいで投げられるように、実戦復帰できるとは思う」。まずは来季終盤の2軍戦、レギュラーシーズン終了後のフェニックスリーグでの登板を目指す。本格復帰は25年シーズンの見込みだが「パワーアップして帰ってこられれば」と力を込めた。

3月のオープン戦期間から右肘に違和感があったという。「少しあまり良くないのは感じていた」。シーズン終盤には上向くとの期待もあった。それでも「肘の状態もあまり良くならなかったので、このまま痛みを我慢しながらやっても、いい結果は出ない」と8月ごろに手術を決断。今季は26試合に登板し、0勝4敗7ホールド、防御率4・56で幕を閉じた。

右肘にメスを入れる抵抗もあった。だが、今季セ・リーグ最多勝のDeNA東克樹投手(27)、今季10勝を挙げたロッテ種市篤暉投手(25)らトミー・ジョン手術経験者の活躍に勇気づけられた。「あれだけ1軍の戦力になれてるのを考えた時に、ネガティブな手術じゃなく、レベルアップできる手術でもある」と前向きに捉えることができた。

復活するだけでは意味がない。球速アップもひとつのテーマ。現在の最速は156キロだが「平均でも150キロを超えるような投手になりたいし、自分の中で今目標にしてるのは160キロ」と言い切る。さらなる剛腕に進化し、帰ってくるつもりだ。【山田愛斗】

田中和基外野手(29、100万円増の2100万円で更改)「一応、FA年というのも来年あるので、1年間しっかり活躍し、自信を持ってイーグルスでFAを取ったと言えるような年にしたいと思います」

小峯新陸投手(21、110万円減の360万円で育成再契約)「来シーズンはしっかりと全力で1年間通して投げていきたい。まずはファームで結果を残して支配下に上がれるように頑張っていきます」

吉川雄大投手(26、50万円減の650万円で更改)「来年も野球をするチャンスをいただけたので、チームの優勝はもちろんですが、自分自身がチームに貢献できるように頑張っていきます」