必ず支配下を勝ち取って故郷に錦を飾る。日本ハムは19日、巨人から戦力外となった鍵谷陽平投手(33)と年俸1000万円で育成選手契約を結んだと発表した。背番号は130。5年ぶりの古巣復帰となった道産子右腕は千葉・鎌ケ谷の2軍施設で“再入団会見”に出席。チームへの貢献と、まだ行ったことがないエスコンフィールドのマウンドを目指し、早期の2桁背番号昇格を誓った。(金額は推定)

 

5年ぶりに日本ハムへ復帰した鍵谷は、育成選手として再出発することとなった。「ジャイアンツを戦力外になった立場なので、僕が選べる立場ではない。育成でも契約していただけないと1軍に上がる権利がないので」と厳しい立場でも古巣からのオファーを受ける決断をした。「それが、かなわなかったら自分の努力不足、実力不足で、すっぱりクビになる。(このチャンスを)生かしていきたい」と言葉に力を込めた。 目指すは1日でも早く支配下選手登録を勝ち取って故郷へ再凱旋(がいせん)することだ。「入っただけでなく、しっかりチームに貢献して初めて喜んでもらえると思う」と自覚する。エスコンフィールドは、まだ訪れたことがない。「エスコンのマウンドで投げているところを北海道のみなさまに見ていただけるように」と意気込んだ。 会見が始まる前に、鎌ケ谷の室内練習場で「日本ハム鍵谷」として汗を流して再始動した。初対面の選手も多く、あいさつ回りもした。「(移籍から)5年たって選手も結構変わっているので、また新鮮な気持ちです」と新たなスタートを実感した中で、この日は鎌ケ谷に「(松本)剛…いや、(選手)会長が来ていた」と久しぶりに顔を合わせると「『何でも僕に聞いてください』という“お言葉”をいただいた。しっかり頼っていきたい」と、うれしい声をかけてもらった。 チームには頼もしい同学年の選手もいる。「(中島)タクとは、ちょくちょく連絡を取っていた。(伏見)トライも連絡をくれて『待っているよ』と言ってくれた。(コーチに就任した)谷内もいる。同級生がいるのは心強いし、一緒にいい方向にいければ」。通算419試合登板のタフネス右腕が数々のモチベーションを力に変え、育成からはい上がる。【木下大輔】