日本野球機構(NPB)は27日、今季のベストナインを発表し、セ・リーグ一塁手部門で阪神大山悠輔内野手(28)が初受賞した。

球団生え抜き日本人では81年の藤田平以来42年ぶり。全試合4番に座り、38年ぶり日本一に貢献した。遊撃手で木浪聖也内野手(29)が初、外野手で近本光司外野手(29)が3年連続選選出された。3選手とともにゴールデングラブ賞とのダブル受賞で、日本一の虎にタイトルラッシュが続く。

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阪神大山が新たな“勲章”を獲得した。一塁手として初のベストナインを受賞。2位の巨人岡本和に202票差の252票をつけて圧倒した。ゴールデングラブ賞に続くダブル受賞。日本一に貢献したプロ7年目の主砲も手応え十分の1年になった。

「選んでいただけて光栄に思います。すごく自信になる1年だったので、本当にいい1年間を過ごすことができたなと思っています。優勝、日本一プラス、こういう賞がついてきてくれたということが、一番うれしいです」

阪神一塁手の受賞は21年のマルテ以来。生え抜きの日本人に限ると、81年藤田平以来42年ぶりだった。猛虎史に1ページを記した背番号3は「簡単なポジションなんてないので、そこはよかった」と謙虚に喜んだ。

昨秋就任した岡田監督から「練習の姿などから、みんなが認めている存在」と絶大な信頼を受け、開幕から「4番一塁」を託された。その期待に応え、レギュラーシーズンは打率2割8分8厘、19本塁打、78打点をマーク。148安打は自己最多で、指揮官が「安打と同じ」と価値をみいだしていた99四球はリーグ最多だった。初タイトルの最高出塁率も獲得し、球団史上5人目、生え抜きでは85年掛布雅之以来の「全試合4番スタメン」も果たした。

「日々、チームの勝利に少しでも貢献しようと取り組んだ結果が賞につながりました」

打線の大黒柱としてチームを支え、18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に貢献。最後まで4番の仕事を全うした。「また来年、チームが勝てるように、しっかり頑張っていきたい」。史上初の連覇へ、1本でも多く勝ちにつながるプレーにこだわる。【三宅ひとみ】

▽近本 ベストナインは、どれだけチームの勝ちに貢献したかを評価していただける賞だと思っているので、続けて取れて良かったです。

▽木浪 選んでいただけるとは思っていなかったので驚いています。良い1年の締めくくりとして賞をいただけて、心からうれしいです。

【イラスト】ベストナイン受賞者/セ・リーグ