広島栗林良吏投手(27)が28日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約交渉を行い、2000万円増の1億1500万円で更改した。4年目での1億円突破は昨年契約更改した森下以来2人目の球団最速タイ記録となった。

今季はシーズン前のWBC参加時の腰痛発症もあり、シーズン序盤は精彩を欠き、5月1日から1カ月は戦列を離れた。1軍復帰してからは徐々に調子を上げ、抑えに返り咲くなど55試合登板で3勝7敗、18セーブ、15ホールド、防御率2・92。CSでも3試合に登板して1敗1ホールド1セーブだった。

球団は復調ぶりだけでなく、日本代表としての負担も最大限に考慮した。1時間に及んだ話し合いは主に日本代表について。開幕には間に合ったものの、侍ジャパン同行による負担増によりパフォーマンスに影響を及ぼした。査定担当の井生球団部1軍管理課課長は「調整も難しい。侍に行って本来の力が出せなかったとか、影響が出てくるかもしれない。みんながしっかり侍に出て頑張りたいと思うように、評価している」と説明。球団の通常査定から上積みされた提示額となった。栗林も「今年の成績だけでは、ここまで上げてもらえない」と球団の配慮に感謝する。

昨季まで2年で3敗だった敗戦数は今季だけで7敗。「自分の負けの数がそのままチームに反映されている。チームに迷惑をかけた」。優勝した阪神との差は一個人が背負えるものではないが、守護神の重みを知るだけに自責の念にかられる。「1試合のサヨナラ負けで、次の試合、その次の試合に負けるというのが自分の記憶上多い。自分がマウンドに上がる試合だけじゃなくて、その次の試合にも影響すると思ってやりたい」。来季は再び抑えのポジションを奪い取り、守り続けることでチームに貢献していく。

来季終了後には、プレミア12が控える。「WBCで悔しい思いをしているので、もう1回選んでもらえるように頑張りたいなと思います」。広島で味わった悔しさは広島で晴らし、侍で味わった悔しさは侍で晴らすしかない。【前原淳】

 

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