プロ初の“スマイル更改”だ。日本ハム田中正義投手(29)が1日、北海道・北広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2400万円増の年俸3600万円でサインした。

移籍1年目で守護神に定着し、25セーブを挙げた右腕は自己最高年俸を更新して笑顔満開。自身へのご褒美として、電子書籍の衝動買いを解禁することを明かした。今オフは“ストレス・トレ”でタフさを増し、来季はセーブ王を目指す。(金額は推定)

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田中正がマウンド上で何度も振りまいた笑顔が、この日も見られた。プロ7度目の契約更改で「もちろん初めてですね」と明かしたのは、大幅アップを勝ち取ってのスマイルだ。ソフトバンクから移籍して大活躍した今季は「初めて自分の実力が出せた年だった」。ポテンシャル開花の先に待っていたのは、昇給率200%、自己最高年俸という評価だった。

自身へのご褒美を問われると「うーん、あんまりパッと思い浮かばないんですけど…でも言った方がいいですよね。面白くないですよね、言わなかったら」と苦笑い。ひねり出したのは「キンドルで何も考えずに“ポチれる”かなと。吟味せずにポチっても、バチ当たんないかなって」と笑顔で明かした。

キンドルとは電子書籍販売サイト。読書家だが、これまでは慎重に購入する書籍を選んでいたという。「買っても読まないものとかあるんで、本当にだいぶ厳選して買っていたんですけど、なんかちょっと気になったら、それはちゅうちょせずに買おうかな」と今後は“ポチっと”衝動買いを解禁するつもりだ。

来季の目標は「セーブ王」と色紙にしたためた。そのためにオフは進化を求めて“ストレス・トレ”を行う。「どんな環境でも自分のボールが投げられるように工夫してやっていきたい。例えば、スパイクを履かずにブルペンで投げてみるとか。ちょっとストレスになるような環境下でも自分のボールが投げられるような練習をしていければ」。来季は何事にも動じない守護神として君臨する。【木下大輔】

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