ソフトバンク嶺井博希捕手(32)が鉄壁な「第2捕手」を目指す。

DeNAからFA加入1年目の今季は44試合出場にとどまり、先発は9試合。「フルイニングで出たいけど、そういう立場ではない」。正捕手候補の甲斐が途中交代した場合に備え、「勝つためにはそういう立場も重要だと思っている」と打ち明けた。契約交渉では4800万円増の年俸7500万円でサイン。4年総額3億円で結んだ契約通りの内容となった。

CSファーストステージ第3戦、ロッテとの激闘が脳裏に焼き付いている。「取り返しのつかないことをしてしまった」。0-0の延長10回。ソフトバンクは3点を勝ち越した。攻撃中に甲斐に代打が送られ、嶺井はその裏の守備からマスクをかぶった。しかし、4失点で逆転サヨナラ負けし、敗退。「あの試合で(キャリアが)終わられた方もいる。そういう方々に対し、苦い思い出で片づけられない。片づけないようにしたい」。忘れてはいけない「10・16」だ。

捕手は谷川原、海野ら多くの若手がいる。「若い選手たちにはまだ成長があるので」。正捕手争いから1歩引き「自分の立場をわきまえながらやっていきたい」と語った。野球は正捕手が全てではない。それが嶺井流だ。【只松憲】

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