【ホノルル(米ハワイ州)17日(日本時間18日)=古財稜明】阪神大山悠輔内野手(29)が、来季も勝利打点を量産することを誓った。今季は不動の4番として全試合出場を果たし、チーム断トツでセ・リーグ3位タイの勝利打点「15」をたたき出した。24年シーズンも持ち前の勝負強さを遺憾なく発揮し、チームの勝利、そして球団初のセ・リーグ連覇へ導く。

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大山はバットではなく、両手でパイナップルを握った。18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を祝したハワイ優勝旅行を堪能。「不動の4番」の重圧から解き放たれたのか、主砲の表情は和らぎリラックスしていた。それでも野球の話となると表情を引き締めた。勝利打点について「多ければ多いほどと思っていますし、そこはこだわり続けていきたい数字です」と来季へ力強く宣言した。

今季は抜群の勝負強さを発揮し続けた。勝利打点はチーム断トツの「15」。セ・リーグではDeNA牧の「18」、巨人岡本和の「16」に次ぐ3位タイの数字だ。勝利打点は81年から両リーグのタイトルの1つとして設けられていたが、88年に廃止が決定。それでも岡田監督が「勝利を決めた打点やからな。すごい価値あった」と話しているように、チームとしても貴重な数字と認識されている。

主砲も「勝利打点はずっと意識してますね。イコール勝ちになるので。タイトルに関わることではないですけど、それぐらい大事なものだと思ってやっています」と強調する。向上心は尽きることなく、「ヒット、ホームランとかだけではなくて、犠牲フライ、内野ゴロ、ゲッツー崩れ、そういったところで得点を入れられるバリエーションをもっともっと増やしていきたい」と意欲十分。「増やすことで打席での余裕も生まれる」とうなずいた。

V旅行6日目のこの日は「アクティブ系」という愛妻のリクエストに応え、早朝からホノルルの観光名所、ダイヤモンドヘッドの登山に挑戦。異国のパワースポットを堪能した。オフの自主トレは1年前と同様に糸原、小野寺と関西を拠点に鍛え抜き、牙を研ぐ。その先に、セ界の「勝利打点王」の称号が待っている。

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